山行報告

セルフレスキュー講習会
(2016年11月20日) カテゴリー:研修

 岳獅会恒例のセルフレスキュー講習会が開催されました。低体温症や骨折などの応急処置、止血や心肺蘇生法などの救急処置、ザックやツエルトを使った搬送方法、レスキュー経験談など充実した講習内容でした。岳獅会は鳥取県山岳協会に所属しており、冬山や夏山のパトロール、大山登山イベントのサポートなども行っています。今回は雨天でしたので、下山キャンプ場の管理棟が会場でした。
セルフレスキュー講習会が開催

 応急処置や救急処置では、医療について詳しい会員からの説明を聞く事ができ、内容はガイドラインに沿ったものでした。
 遭難対策委員からはザック3つを繋げた救助者の搬送方法などを学びました。ザックは背負うもとの思っていましたが、目からウロコです。
遭難対策委員から

 ザックを背負子の様に使う方法は、使用する機会も多いと思われ、必ず身につけたいものでした。セルフレスキューではカラビナやスリングを使います。ロッククライミングで必需品のこれらの装備が、セルフレスキューでも大活躍するのです。いつ遭遇するか分からないトラブルで慌てることのないように、今後も訓練を重ねてゆきたいと思います。
セルフレスキューではカラビナやスリングを使います

石鎚山北壁
(2016年11月03日) カテゴリー:岩登り

 11月2日の夕方6時、米子から石鎚山北壁へ向かった。石鎚スカイラインで向かいたいところだったが、スカイラインは午後6時にゲートがクローズしてしまうらしい。道を間違えながら宿泊場所の土小屋まで星が目の前で瞬くUFOラインを進む。ここで皆が車酔いと戦う。宿泊場所に到着したのは深夜1時を過ぎ、気温も低かったが、土佐アルパインクラブの御好意のおかげで気持ちよく就寝することができた。
 11月3日午前7時、土佐アルパインクラブと岳獅会の総計8名で北壁へ。2の鎖を右に見ながら細くて足を踏み外しそうな灌木帯へ向かう。本日の空は灰色で、風が冷たい。ここは標高1900m近くのアプローチ。私達は伯耆大山よりも高い場所に取り付いた。本日のルートは、土佐アルパインクラブがダイレクトルート、岳獅会が鷲尾ルート、混成隊はカンテルート。カンテルートは下部が以前と同じではないという。横から見ても厳しそうなルートだった。ダイレクトルートと私達の鷲尾ルートの取り付きは同じ場所。鷲尾ルートの1P目は現在のカンテルートとも交わる。
鷲尾ルートの1P目

 土佐は南国というイメージだったが、この日の北壁は霧氷が舞うコンディションであり、アルパインクライミング感たっぷりの登攀が予想された。鷲尾ルートは3Pのルート。全てのパーティがルート上に居なくなった後、先が見通せない白いガスの岩場でオンサイトトライが開始された。ダブルロープをスリングのカラビナにセットしながらY氏がリードしていく。セカンドが青い9mmのロープ、サードは赤い9mmローブで繋がれている。私はセカンドとビレイを担当した。
 1P目。支点はハーケンかリングボルトである。ツララがあり、ビレイ中に上から白い雪のようなものが落ちてくるなか、奇跡的な雲の切れ間で蒼い空と岩場の全貌が見えたときは、美しさのあまり皆が叫んだ。支点と支点の間隔は広い。始めの十数メートルを登った辺りで右にトラバースする。他のルートと交わって直登する辺りの一カ所だけ少々悪い。フリーで突破に拘らず、作りたてのアブミをハーケンにかけた。本来なら左に回り込んだ後でピッチを切るようだが、ロープの流れが悪く、左へトラバースする前をビレイポイントとした。
左へトラバースする前をビレイポイント

 2P目。左へのトラバースでは落ちたくない。余計なランナウトを防ぐため、ロープを外したカラビナにサードの赤いロープをかけながら登る。トラバースで体が動けば手子摺る場所はない。A2のハング手前でピッチを切った。ここの支点にはペツルのハンガーがある。
 3P目。このルートの核心と思われる場所。ハングには安心のペツルが3本打ってあるのだが、フリーでトライする度胸はない。ようやく要領をつかみだしたアブミを2つ使い、体重を預けながらハングを越えた。実はここを越えたあとがハングより悪く、霧氷が足となる草地にはびっしりついて滑りロープにテンションがかかった。実力不足である。ビレイポイントに着きサードが登るの待つ。支点のリングボルトがしなっているのが分かった。リーダはこのピッチをセカンドとサードが同時に登るのではなく、時間がかかっても手堅く登攀させることを選んでいた。
 4P目。最終ピッチである。さらに気温は下がり、ルートは霧氷が岩にも付き始めている。「鳥取頑張れー」と声が聞こえた。凹角の左を上がってあのネズミ返しを右に動けば頂上である。まさにトップが取り付いたそのときだった。上からHMSの付いたロープが降りて来る。最初はその意味が分からず、懸垂下降でもしてくるのだろうかと話した。
「時間切れだ〜!!」
我々3名は、土佐アルパインクラブのロープで引き上げられた。
頂上では、東稜のパーティーを含む全てのパーティーが我々の遅すぎる到着を待っていた。
こうして鷲尾ルートへの挑戦は終わった。
カンテルートは無事に登頂した。
登頂